園芸療法について

イメージ写真園芸療法とは、参加者が特別な治療やリハビリテーションの目標に到達するために園芸活動を利用した、専門的に実施されるクライアント中心の治療方法である。
園芸療法の焦点は、社会的機能、認識機能、身体的機能、心理的機能を伸ばすこと、そして総体的な健康と幸福の増進にある。

園芸療法の歴史

園芸療法初の植物園は、1600年初期オックスフォードに設立された。1700年後期、北米で精神医学の父と仰がれているベンジャミン・ラッシュ(Benjamin Rush)が「土を掘る行為は精神病患者に治癒効果がある」と発表した(Horne,1974:74)。
1800年初め、ニューヨークのフィンガーレーク地方でクリフトン・スプリング病院・療養所(Clifton Springs Hospital and Sanitarium)を設立したヘンリー・フォスター(Henry Foster)博士は、心身一体的アプローチを外科治療法として取り入れた。フォスター博士らは体操、レクリエーション、園芸を医薬治療と調和させた。環境に恵まれたその施設は、この治療法の先駆となった。
20世紀初期には、外科および精神科のいずれにも園芸療法が採用されるようになった(Ringle,

1997)。しかし、第二次世界大戦中退役兵の病院では園芸療法はリハビリテーションとは全く関係ないとみなされていた。1950~1960年代、ミシガン州やカンザス州の大学で園芸療法初の修士課程コースが誕生した。1970年代初期にはアメリカ園芸療法協会(American Horticulture Therapy Association,AHTA)が設立された。1980年代半ば、研究者たちは園芸が身体のリハビリを必要とする患者だけでなく、精神病を患う患者にも有効な効果をもたらすことを認めた。研究者たちは、結果にこだわらず園芸活動に焦点を合わせることの重要性に着目した。この取り組みで園芸には血圧を下げる、心拍数を減らす、酸素消費量を減少する、アルファ波脳波を活発にする、健康な状態の穏やかな感情を引き出すなどの効果があることが証明された。

陽性強化法

本質的に、植物とは世話をされることに反応するものである。水やり、施肥、せん定、手入れといった直接的要因と効果により、より健やかな植物になる。新しく咲いた花や実った果実は、参加者が確認、満足できる目に見えるご褒美(報酬)である。療法士は、この概念を望ましい行動を強化するために活用する。以下に強化内容の例を挙げる。
  • 1.参加の頻度とレベル
  • 立ち姿勢の忍耐
  • 作業の忍耐
  • グループメンバーとの肯定的な相互作用
  • 再び、健康に焦点を置くこと